昔、うちの庭に大きなさるすべりがありました。
夏の空いっぱいに枝をはり、
その先にうすもも色の花びらを飾って、
それは見事なさるすべりでした。
今日は私の母の命日です。
母はさるすべりの花が大好きでした。
とても怖くて、かなりわがままな人だったけど。
実は誰より情が深いのに、
その表現が下手な人だったけど。
私にとってたった一人の母。
本当は誰よりも繊細でやさしくて、
そして、いつもきれいで若い。
自慢の母でした。
亡くなって19年もたちますが、
いまだに、こんな時は母がいてくれたらな・・・
と思うことがあります。
さるすべりの花を見ると、いつも母のことを思い出します。