固い地層があるわけではなく、
森の倒れた木々や朽ちた草が少しずつ積もってできた地面。
その柔らかな地面のために、またその上に育つ木々は倒れてやすいのです。
森を歩いていると、倒れた木々の多さにびっくりします。
でもその木々たちは、
大地に帰ってゆくことを誇らしく思っているのかのように、
ゆったりと横たえたそばから、
他の植物たちの糧として身をゆだねています。
そんなわけで、島にはそれほど大きな木は育たないはず・・・
というのが基本のようです。
でも、森には先住民の人達からも大切にされたご神木、
とても大きなグランドマザーツリーがあります。
この島に訪れたのなら、まずこの樹にご挨拶をしなくていけない。
私達は島についてすぐ、
グランドマザーツリーにご挨拶にいきました。
海岸縁にあるオルカラボから、
歩くこと10分も満たないシダーの森の中に、
ハンソン島のグランドマザーツリーがあります。
前回行った時にはまったく気が付きませんでしたが、
この樹は一本ではありませんでした。
何本かの木が重なりあって大きくなっていったのです。
左巻きにねじれながら、何本かの木が一つになっています。
そのことをポール博士に確認したら、
「その通りだよ」と言っていました。
ハンソン島のふかふか柔らかな土の上でも、
こうして何本かが支えあってひとつになれば、
こんなに大きくなれるのですね。
甥っ子の手前に一本、シダーがありますが、
この木も、グランドマザーツリーの方に向かって伸びています。
あと何年か、私が確認することができないほどだいぶ先には、
この木もグランドマザーの一部になっていく・・・。
そんな予感がします。
この樹の中心に大きなエネルギーが流れていて、
グランドマザーツリーを作りあげている・・・。
そんな感じを受けました。
ご神木というのは、
そのまわりの木々たちが一本の木を
「この木にしよう」と決めるそうです。
そして、あたりのエネルギーを集めてご神木を育てるそうです。
そのご神木は、まわりの森を守る役割をする・・・。
なので、 ご神木のまわりは必ず開けているそうです。
ハンソン島のご神木・グランドマザーツリーのまわりも、
そこに空から光がたくさん射すように開けていました。
私はあとでひとりで森に入り、
しばらくグランドマザーツリーのそばにいました。
樹の幹にじっと触れてと、
表面はすでに土のようになっているのがわかります。
奥の方から、静かなマザーの声が聞こえてくるようでした。
人間も私達のように力を合わせてひとつになれば、
ひとりで立っているよりずっと強くなれる。
そして、大切なものを守れる大きなパワーが得られるのですよ。
って・・・・。