ダライ・ラマ法王が来日していたと、日曜の夜のTV番組で知りました。7~8年ほど前に来日された時、講演会に行きましたが、警備がすごくてびっくりでした。入り口には飛行場にあるような金属探知機がおいてあり、そこを通って、カバン、持ち物チェックです。中国政府が、チベット独立運動の精神的象徴である14世の日本入国を反対していて。そのテロを警戒していたからです。法王は、先日のTV番組でもはっきりと、独立するつもりはなく、ただ自治として認めて欲しいだけだといってます。中国政府は何を恐れているのでしょうか。体の大きなシェパードみたいな犬が小さなチワワに吠え立てているように見えて、とても不思議です。(誤解を招くといけないので、あくまで中国の一般の人たちではなく、政府のことを言っています。)
公演会の会場がどこだったか、ちょっと忘れたのですが、武道館のようなとても広いところでした。その広い会場に立たれた法王の存在は圧倒的でした。ただ立っているだけで、会場中の空気を包みこんでいくような包容力。人が信じられる、そんな気持ちになるお話。私はその公演に集中したかったので、一人ででかけましたが、大切な人と一緒にいくのもよかったと思います。誰かに優しくしてあげたくなる、そんな気持ちになる講演会でした。
日曜のTV番組でも、法王は中国のことをとても友好的に思っているといってました。中国政府にしてみれば、1949年に侵略して、ものすごくひどいめにあわせたのに、そんなこと言われるなんて信じられないでしょう。でも、法王は心からそう思っているようです。仏教ではカルマ(因果応報)を説き、それを断ち切るために、まず、自分が相手を許して愛するようしめします。。暴力に対しては非暴力。やられたらやりかえすでは何も解決しないと教えます。実際、ここ数年、仕返しみたいに起こった戦争は無意味で、ただいろいろな国のたくさんの人がいっぱい死んだだけだと、みんな今後悔していますよね。そしてまた、あらたな憎しみを生んでしまったようです。
ダライ・ラマのことをこうして書いていると、『オルカ』のことが頭をよぎりました。アザラシとなどを捕っているイメージで、凶暴な生き物だと思っている人は、何でだろ、と思われるでしょう。オルカは餌を捕る以外は決して相手を攻撃しません。とてもとても平和主義な動物なのです。たとえ人間に捕獲されても、悲しげに鳴くだけで、本当に人間を攻撃したりしないのです。仲間が捕獲されても、自分自身が捕獲されても、人間に向かってこようとは決してしません。不思議な動物です。まるで、チベット仏教徒みたいです。ライオンだって、熊だって、自分が危ないめにあいそうな時は向かってくるでしよう。オルカはその大きな力を封印するかのように、なぜか非暴力主義なのです。本当の理由は分かりませんが、あまりにすごい力をもっているから、仲間でけんかでもしたら、種の危機になってしまうと悟ったからではないかとも言われています。お母さんを中心とする母系家族で暮らしていて、めちゃくちゃ家族思いなのですが、その家族が捕らえられているのを見ていても、ただ、おろおろと悲しく鳴くだけなのです。その後、家族を失ったオルカたちは、ショックと悲しみのために死んでしまうこともあるようです。そんな無抵抗の生き物を、お金のために捕らえて心が痛まないのでしょうか。オルカに興味をもたれた方は、ホームページのリンクサイトに、マシュマローが応援している団体が掲載されているので、そちらをどうぞのぞいてみてください。イルカのこともあります。
ダライ・ラマ法王のことから、少しずれていきましたが、暴力は何も生まないということを、人間より知っている動物があることを、どうぞ理解してあげて欲しいと思います。そして、知恵と勇気をもって、救っていってあげたいです。その輪がどうか広まりますように。